白く濁った見た目が特徴的な「にごり酒」。よく似た言葉に「おりがらみ」「どぶろく」がありますが、それぞれ濾過の程度によって異なる種類です。本記事では、その違いと楽しみ方を分かりやすく解説します。
日本酒の「濾す」工程について
日本酒造りでは、発酵を終えたもろみを搾り、液体(清酒)と固形物(酒粕)に分けます。この「搾る・濾す」工程の程度によって、清酒として認められる範囲や、にごり酒・おりがらみといった種類が決まります。
にごり酒とは
「にごり酒」は、目の粗い布などで粗く濾したもので、米の成分が多く残るため、白く濁った見た目になります。とろりとした口当たりと、米の旨味をしっかり感じられる濃厚な味わいが特徴です。法律上、清酒として認められるためには「こす」工程が必須とされており、にごり酒もこの条件を満たしています。
おりがらみとは
「おりがらみ」は、一度濾した清酒に、沈殿した「おり(澱)」をわずかに戻したものです。にごり酒ほど白濁しておらず、うっすらと濁りが見える程度で、フレッシュで微発泡感を伴うことも多いのが特徴です。生酒・火入れ・生詰めの違いとは?でご紹介した生酒タイプで提供されることも多く、季節限定品として人気があります。
どぶろくとの違い
「どぶろく」は、もろみをほとんど濾さない、または濾過の工程を経ていない酒で、法律上は清酒ではなく「その他の醸造酒」に分類されます。個人での製造には酒税法上の免許が必要であり、市販品は免許を持つ事業者によって醸造されたものです。にごり酒よりもさらに濃厚で、とろみの強い味わいが特徴です。
にごり酒・おりがらみの楽しみ方
にごり酒は、瓶を軽く振って沈殿した米の成分を均一に混ぜてから注ぐのが一般的です。よく冷やして飲むほか、甘口・辛口の選び方ガイドでご紹介した甘口タイプが多いため、デザート感覚で楽しむのもおすすめです。
にごり酒・おりがらみのおすすめ10選
代表的なにごり酒・おりがらみタイプを10点ご紹介します。価格帯は720mlサイズを基準とした目安です。
| 商品名 | 蔵元・産地 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 寺田本家 醍醐のしずく | 寺田本家/千葉県香取郡神崎町 | 乳酸菌が豊富な低アルコールのにごり酒。まろやかでクリーミーな味わい(オーガニック・自然派日本酒ガイド参照)。 | 1,800〜3,000円 |
| 八海山 純米にごり酒 | 八海山酒造/新潟県 | 定番銘柄のにごりタイプ。とろりとした甘さと米の旨味をしっかり感じる味わい。 | 1,500〜2,500円 |
| 獺祭 にごりスパークリング 39 | 旭酒造/山口県 | にごりとスパークリングを組み合わせたユニークな1本。華やかな見た目で人気。 | 2,000〜3,500円 |
| 賀茂鶴 純米にごり酒 | 賀茂鶴酒造/広島県 | まろやかな口当たりのにごり酒。デザート感覚でも楽しめる優しい甘さ。 | 1,800〜3,000円 |
| 真澄 おりがらみ生原酒 | 宮坂醸造/長野県 | 微かに澱(おり)が残る、にごり酒よりやや透明感のあるタイプ。フレッシュな味わい。 | 2,200〜3,800円 |
| 浦霞 おりがらみ純米 | 佐浦/宮城県 | 搾りたての澱を一部残した季節限定品。穏やかな旨味とほのかな発泡感が特徴。 | 2,000〜3,500円 |
| 黒龍 うすにごり | 黒龍酒造/福井県 | 薄く澱を残した上品なにごりタイプ。クリアな味わいの中にほのかな甘みを感じる。 | 2,500〜4,000円 |
| どぶろく(自然発酵タイプ) | 各蔵元 | もろみをほとんど濾さない、にごり酒の原点ともいえるタイプ。とろみが強く濃厚な味わい。 | 1,800〜3,500円 |
| 甘口にごり酒 | 各蔵元 | とろりとした甘さが特徴。日本酒初心者やデザート感覚で楽しみたい方にも人気(甘口・辛口の選び方ガイド参照)。 | 1,500〜3,000円 |
| スパークリングにごり酒 | 各蔵元 | 発泡感とにごりの両方を楽しめるタイプ。スパークリング日本酒完全ガイドとも関連する華やかな1本。 | 2,000〜4,000円 |
よくある質問
Qにごり酒はアルコール度数が低いのですか?
商品によって異なります。低アルコールタイプもありますが、通常の日本酒と同程度の度数のにごり酒も多くあります。ラベルで確認しましょう。
Qにごり酒は振ってから飲むべきですか?
はい、瓶の底に沈殿した米の成分を均一にするため、軽く振ってから注ぐのが一般的です。ただし、商品によっては振らずに上澄みを楽しむタイプもあるため、ラベルの指示を確認しましょう。
Qどぶろくは自宅で作ってもいいですか?
個人で無免許のまま酒類を製造することは酒税法で禁止されています。市販されているどぶろくは、免許を持つ事業者が製造したものです。
Qにごり酒はギフトに向いていますか?
見た目が華やかで、甘口タイプが多いことから、日本酒に詳しくない方への贈り物としても人気があります。
Qおりがらみは通年で購入できますか?
多くは季節限定(特に冬から春にかけて)の商品として販売されることが多く、通年で購入できるとは限りません。
まとめ
にごり酒・おりがらみ・どぶろくは、いずれも「濾す」工程の違いによって生まれる、個性豊かな日本酒のバリエーションです。とろりとした口当たりや見た目の華やかさから、ギフトとしても人気があります。甘口・辛口の選び方ガイド・ラベルの読み方完全ガイド・スパークリング日本酒完全ガイド・生酒・火入れ・生詰めの違いとは?と合わせて、新しい日本酒の楽しみ方を見つけてみてください。
お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳中の飲酒はお控えください。
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