「この日本酒、なんとなく美味しいのは分かるけど、うまく言葉にできない」——そんな経験はありませんか。本記事では、専門家でなくても自宅で楽しめる、日本酒の簡単なテイスティング(利き酒)の方法をご紹介します。甘口・辛口の選び方ガイド・酸度・アミノ酸度とは・おつまみペアリングガイド・酵母とはでご紹介してきた知識を、実際に味わいながら確認する実践編です。
利き酒・テイスティングとは
「利き酒」は、日本酒の色・香り・味わいを五感で確認し、その特徴を見極める行為です。プロの鑑定とは異なり、自宅で楽しむ場合は、難しく考えすぎず「香りや味の違いを楽しみながら言葉にしてみる」くらいの気軽さで十分です。
テイスティングの基本ステップ
テイスティングは「見る」「香る」「味わう」の3ステップで行うのが基本です。まず色合いや透明度を確認し(見る)、次にグラスに鼻を近づけて香りを確認し(香る)、最後に少量を口に含んでゆっくりと味わいます(味わう)。
ステップ1:見る(外観の確認)
透明なグラスに注ぎ、色合いや透明度を確認します。無色透明に近いものから、わずかに黄色味を帯びたもの、熟成酒のように琥珀色に近いものまで、日本酒の色合いは商品によって様々です。
ステップ2:香る(香りの確認)
グラスを軽く回し、立ち上る香りを確認します。日本酒の酵母とは?でご紹介した酵母の働きにより、フルーツのような華やかな香り(吟醸香)を感じる銘柄もあれば、穏やかで控えめな香りの銘柄もあります。
ステップ3:味わう(味わいの確認)
少量を口に含み、舌全体に広げるようにゆっくりと味わいます。甘口・辛口の選び方ガイドの甘辛、酸度・アミノ酸度とはの酸度・アミノ酸度(旨味・コク)を意識しながら、「甘い」「酸っぱい」「キレがある」など、感じたことを自分の言葉で表現してみましょう。
飲み比べのポイント
複数の銘柄を飲み比べる際は、淡麗なタイプから濃醇なタイプへ、香りの控えめなものから華やかなものへと順番に試すと、それぞれの個性を把握しやすくなります。甘口・辛口の選び方ガイドでご紹介した「薫酒・爽酒・醇酒・熟酒」の4タイプを1本ずつ用意すると、体系的にテイスティングを楽しめます。
無理なく楽しむための注意点
テイスティングはあくまで少量ずつ味わうことが基本です。一度に多くの銘柄を飲み比べると、酔いが回りやすくなるだけでなく、味の違いも分かりにくくなります。水(チェイサー)を用意し、こまめに口の中をリセットしながら楽しみましょう。
テイスティング入門におすすめの日本酒10選
4タイプの違いを体感しやすい銘柄と、テイスティングに役立つ酒器を10点ご紹介します。価格帯は720mlサイズを基準とした目安です。
| 商品名 | 蔵元・産地 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 上善如水 純米吟醸 | 白瀧酒造/新潟県 | 淡麗で穏やかなタイプ。テイスティングの基準・出発点にしやすい飲み比べ向きの一本。 | 1,500〜3,000円 |
| 獺祭 純米大吟醸 | 旭酒造/山口県 | 華やかな香り(薫酒)の代表格。吟醸香を感じる練習に適する。 | 3,500〜10,000円 |
| 八海山 特別本醸造 | 八海山酒造/新潟県 | キレのある淡麗辛口(爽酒)の代表格。爽やかな酸とキレを体感できる。 | 2,000〜3,500円 |
| 而今 特別純米酒 | 木屋正酒造/三重県 | 旨味としっかりとしたコクのある醇酒タイプ。味の厚みを感じる練習に適する。 | 5,000〜8,000円 |
| 大七 純米生酛 | 大七酒造/福島県 | 生酛造りならではの複雑な酸味。熟酒に近い奥行きのある味わいを体感できる。 | 2,800〜4,500円 |
| 真澄 純米吟醸 あらばしり | 宮坂醸造/長野県 | 端正でバランスの取れた味わい。香り・酸味・甘みのバランスを確認する基準酒に。 | 2,500〜4,500円 |
| 長期熟成古酒 | 各蔵元 | 熟酒タイプの代表例。ナッツやドライフルーツのような香りの変化を体感できる。 | 4,000〜10,000円 |
| 利き猪口(蛇の目模様) | 美濃焼など各窯元 | 底に青い二重丸の模様が入った、利き酒専用の伝統的な酒器。色や透明度の確認に使う。 | 1,000〜3,000円 |
| 飲み比べセット(4タイプ別)300ml×4本 | 各蔵元 | 薫酒・爽酒・醇酒・熟酒の4タイプを飲み比べられるセット。テイスティング入門に最適。 | 4,000〜6,000円 |
| 黒龍 大吟醸 | 黒龍酒造/福井県 | クリアで上品な香りの大吟醸。香りの繊細な違いを確認する練習に向く。 | 3,500〜10,000円 |
よくある質問
Q「蛇の目模様」の利き猪口にはどんな意味がありますか?
底に描かれた青い二重丸の模様は、日本酒の透明度や色合いを判定しやすくするための工夫です。白い部分で透明度を、青い部分で色合いを確認しやすくなっています。
Q唎酒師(ききさけし)とはどんな資格ですか?
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する、日本酒の提供・サービスに関する民間資格です。本記事でご紹介した内容は、あくまで自宅で気軽に楽しむレベルのものです。
Q一度に何銘柄くらい飲み比べるのが適切ですか?
自宅で楽しむ場合は、3〜4銘柄程度を目安にするとよいでしょう。多すぎると味の違いが分かりにくくなり、飲み過ぎにもつながります。
Qテイスティングの感想は、どう言葉にすればいいですか?
「フルーティー」「キレがある」「コクがある」など、難しい専門用語を使う必要はありません。自分が感じたままの言葉で表現することが大切です。
Qお酒に弱い人でもテイスティングは楽しめますか?
はい、少量を口に含むだけでも十分に香りや味わいの違いを楽しめます。無理に飲み込まず、味わったら残りは戻すという方法も一つです。
まとめ
日本酒のテイスティングは、難しい専門知識がなくても「見る」「香る」「味わう」の3ステップで気軽に楽しめます。甘口・辛口の選び方ガイド・酸度・アミノ酸度とは・おつまみペアリングガイド・酵母とはでご紹介してきた知識と組み合わせることで、より一層日本酒の奥深さを実感できるはずです。少量ずつ、無理のない範囲で、ぜひ自分なりのテイスティングを楽しんでみてください。
お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中・授乳中の飲酒はお控えください。
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